ノベマスとPVは全然違うジャンルというのは、当たり前ですが、
同時にノベマスとPVは楽しみ方が違います。
最近その違いについて、ふっと時間の観点から考えたら結構
面白いかもと思ったので書きます。
PVは技術を楽しむという側面が強く、ニコニコにおいて映像技術の代表格みたいなところが
あります。最近では技術レベルが高くなりすぎて、細かいところで違いがあるものの
私のような素人には実はちょっと分からないレベルですごいです。
一方ノベマスは、技術的な物は求められておらず、どちらかというとストーリーとか
ギャグとか、そういったところに重きが置かれます。また『にわP』のニッチさを見れば
分かるように、文の美しさにはそれほど興味はもたれない傾向があります。
さて、ここまではありがちな空間の話ですが、ここに時間の概念を入れるとちょっと
面白いです。
PVは、曲の長さに依存するため5分以内に終わるものがほとんどで、
なんといっても短い時間にどれだけ強く視聴者にインパクトを与えられるかに
付きます。同時にPVを見る視聴者もその短さを念頭においていて
潜在的に「短い時間で楽しみたい」という欲求があります。
一方ノベマスにおいては、短くても5~10分、長いと20~30分です。
一部を除けば、ノベマスはPVよりも時間がかかるし、それこそ数フレームで
インパクトを与えられるPVとはことなり、文字を読んで意味を理解して
初めて笑いになったり、感動になったりします。
視聴者もそのことを念頭に入れていて、ノベマスを見るにあたっては
割とゆったりとした見方をします。
(PVでは逆に短い時間にたくさんの情報があるので、視聴者にも
結構プレッシャーがあります)
ここから考えるに、ノベマスとはこの時間の潰し方、消費の仕方に
特徴があるのではないでしょうか?
勿論、これはノベマスに限らず架空戦記もそうです。
一方PV的でもあるし、ノベマス的でもあるものに
紙芝居があるのではないでしょうか。
手描き絵という瞬間のインパクトと同時に、ストーリーやギャグでも
楽しむものです。
さらに言うと、ニコニコの動画の多くがPVのような瞬間的なすごさを求めるか
実況のようなだらだらゆるゆるとした楽しみを求めるかの二極になっていて、
同じ動画という軸だけでそもそも比較するべきではない
のではないか、とかちょっと思ったりしました。
宣伝をかねて、いきなり卑近な話になりますが、中田氏の宣伝CMは時間を意識していて
視聴者が軽く閲覧できて、インパクトを与えられるような作りにしてます。
一方『瑞に佇み』は視聴者を32分間束縛して、世界観に取り込もうと
しています。
この辺り、時間の長さを意識して作品を作ってみると、案外いいのかもしれません。
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