最近完結したクラオタPの『ちはやと!』です。
まあこのタイトルだと、みんな『よつばと!』を思い浮かべますが、
特に関係なかった‥‥よね?
正直タイトルが紛らわしかった事、、
主なネタがクラシックと(海)軍という事もあって、
作品の質以上に伸びが悪かったこのシリーズ。
ですが、頻繁に更新を続けてようやく再生数2500まで行きました。
クラシックを軸にしながら、正直になれない千早と
シニカルなプロデューサーの心の機微を描いた
良い作品だと思います。
ギャグは笑う、というより空気を楽しむタイプのものが多いので
爆発力に欠け、全体のトーンは台詞の勢いの割りに
クラシックの荘厳さによってどこか落ち着いた感じに
なっています。
以下ネタバレになるので、作品を見てない人は見ないほうがいいかも。
-------------※※ネタバレ注意※※-------------
プロデューサーと千早の関係を最後まで一貫させていたのには
ただならぬ思い入れ、強い信念を感じます。普通こういう
ラブコメテイストを入れるとき、安易にくっつかせる
(特にニコニコの性質上ベタさが求められる)ことが
多いのですが、クラオタPはその流れを匂わせていたにも
かかわらず、そこに日和ることをしませんでした。
この「ベタ」さに打ち克つのは、特にシリーズを続けて
支援されたいという願望を持つものにとっては
非常にきついものがあります。
技術的には正直拙い点も多々あるのですが、
何か非常に首尾一貫とした、表現したいモノを感じさせます。
その点に私は深い共感を覚えています。
全体の構成を通して見ると、正直いって視聴者にとっては
「ちぐはぐな喰い合わせ」に見えてしまいます。
ラブコメなのに海軍ネタいれたり、春香は嫌な役だし、
やよいの癒しもどこか響かない。
ですが、所々のシーンの作り方には、素晴らしいものがあります。
特にラストの深い余韻を残す終わり方は、今までの
ノベマスには類を見ない素晴らしいものでした。
----------※完全ネタバレ注意※----------
あそこで主人公に、蒼い鳥を呟かせるという発想は
単調なノベラー的な理屈ではおそらく無理ではないでしょうか。
もっと音楽的な、頭の中で深い余情をイメージできる人が
作ったと思わせる稀有な名シーンです。
さらにその跡に続く、誰もいない事務所を描くシーンは
静止画でありながら、映画に近い感動の余韻を
生み出していました。
(惜しむらくは千早の一枚絵が出てきた瞬間にその余韻が
完全に打切られてしまったところでしょうか。もうちょっと
あそこは余韻を味合わせるべきでした。
浮かんでは消える過去の映像とか)
その点だけでも私はちはやとを非常に高く評価できる作品だと
思います。
以上雑文深謝。
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