愛識です。 巷で不評というか、暴走・分裂・対立・撤退が繰り広げられているアイドルマスター2ですが、不満や文句は取り上げず、敢えてココではどうしてこうなったかを考えていきます。
- アイドルマスター2のコンセプト
アイドルマスター2は「何をするゲームか」。
恐らくこのあたりから、一度見直しが入ったとは思うのですが、やはりこれは『P(プレイヤ)がアイドルをプロデュースする』ということでしょう。
当たり前のように聞こえますが、DSではアイドルをプロデュースするゲームではなく、アイドルをプレイするゲームでした。DSはコンセプトから異なっているし、アイマスガールズ(声優)の扱いが大きく異なるのも、この点からでしょう。あくまでもDSのアイドルは『俺の嫁』ではなく『俺自身』です。
本作はSPのような移植や、DSのようなパラレルワールドではなく、正当シリーズの後継ということで、この点はしっかりと引き継がれるようです。
- ゲームデザインの見直し
アイドルをプロデュースし、トップアイドルを目指す。さて、このトップアイドルの目指し方も色々あります。一般的なギャルゲーのように閉じた世界で淡々とパラメータを上げてトップアイドルを目指すゲームでも問題ないわけですが、アイドルマスターはアーケードから始まったことからも分かるように、以下の特徴がありました。
A.対戦(競争)型
B.全国展開
さて、今回の大きな変更点の一つとして、アケマスから引き継いだA.対戦(競争)型という特徴が無くなりました。
つまり「オンライン」対戦の消滅です。
先日のアケマスNW対戦停止→今回のオンライン対戦システム廃止から分かるように、アイドルマスターは全国のP(プロデューサー/プレイヤ)同士が競い合うゲームではなくなりました。
対戦という要素を好んでいるアイマスファンが果たしてどのくらいいるのか、というのは私達からは分かりませんが、恐らく過去の対戦数などを調査した数値、コミュニティ内で対戦の話題は出ず、ほとんどアイドルの話ばかりということを考えれば、この要素を削るという判断はむしろ妥当かもしれません。
(逆にMMOやセカンドライフのような形も有り得なくはないわけですが、ここではすっぱりと切ってきました)
しかし、一方でアイドルをプロデュースするという方針が変わらない以上、競争という要素がなくなることはありません。
ここでは、『対人』ではなく『ストーリー』で競争を演出することで、問題を解決しようとしています。つまり、秋月律子率いる竜宮小町というライバルと、黒井社長率いるジュピターの登場です。
なぜ、この2種類のライバルが登場したのか。
かつてSPでは美希→移籍、響、貴音を登場させてライバルとしました。DSでも各アイドルでライバルポジションのキャラクタが登場します。
両作はライバルは「全国のプロデューサーさん」という考え方が通じない(SPは通信対戦があるもののアドホック通信)以上、何らかの形でライバル役を演出する必要があったわけです。
さて、このライバルですが正直言ってあんまり成功したとは言い難いです。まず、美希・響・貴音がライバルとしてイマイチなのは、彼女たちもプロデューサーの「ハーレム」のメンバの一人でしかない、ということです。結局ライバルといってもアイドルにとってのライバルであり、プレイヤ(P)にとってみればカワイイ俺の嫁なので、ライバルとしては迫力にかけます。
実際ほとんどの二次創作では彼女たちの存在は、765プロのアイドルとほとんど等しく同列に扱われています。
DSでは他プロダクションのキャラや日高舞を出していますが、ライバルというよりは超えるべき壁という存在でしょうか。これはゲームコンセプトの違いもあるでしょう。
今回の竜宮小町はSPのライバル的存在に近しい、「強敵と書いて『とも』と呼ぶ」関係です。憎々しい敵ではなく、切磋琢磨していくライバル。
一方ジュピターは「憎い敵」です。これは男性アイドルという、Pを主とするハーレムの中に取り込まれない存在としてハッキリとした「ライバル」です。黒井社長が再登場したのも非常に分かりやすいですね。憎いあンちくしょうです。
上記より、人によっては全く需要のない対戦要素をごっそり削って、ライバルという存在を等しく明確にストーリーに登場させることで、Pに芸能界の頂点を争っている感覚を意識させようとしているのが分かります。
さて、B.全国展開という話ですが、ネットワーク対戦を廃止した代わりに、PV1で説明したように全国を巡るということで補おうとしているのが想像できます。この要素に関しては、可もなく不可もなくといった感じではありますが……。世界観が広がる可能性や新たな名所を生み出す可能性もあるわけで、意外なポテンヒットかもしれないとは思います。
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